”使いたい”に応える安全な選択肢を。ゴールドウインが「Acompany セキュアチャット」を選んだ理由
公開日:2026.10.26

『THE NORTH FACE』や『HELLY HANSEN』、自社ブランド『Goldwin』などを国内外で展開する株式会社ゴールドウイン(以下、ゴールドウイン)。1951年の設立以来、アウトドア、アスレチック、ウィンター関連ブランドのライセンスを保有し、商品を卸すだけでなく、企画・開発・製造・生産管理・直営店運営までを自社で手がけています。
自社研究施設での機能検証から新素材の採用まで手がける製品開発力と、国内外に約170の直営店舗網を持つ同社は、中期5ヵ年経営計画(2025年3月期〜2029年3月期)で、基幹システムと会員システムの刷新を事業基盤投資に位置づけています。
このデジタル基盤の整備と並行して力を入れているのがAIの活用です。2026年4月に発足した総合企画本部 DX推進室を中心に、人とAIの役割分担を見極め、社員がコアな業務に集中できる環境づくりを進めています。
一方、同社は2024年から社内向け生成AIの活用を推進していましたが、さらなる業務活用の拡大に向けて利用環境の強化を検討していました。また、生成AI技術の急速な進化を背景に、社員からはより幅広いAIサービスの活用を求める声も高まっていました。
そこでDX推進室が主導し導入を決めたのが、機密情報や個人情報を保護しながら複数のAIモデルを利用できる「Acompany セキュアチャット」です。
今回は、「Acompany セキュアチャット」の導入を推進した総合企画本部 DX推進室の横山 雄一さん、同じく和田 佑斗さん、総合企画本部の佐保 暢子さんに、導入前の課題や選定の決め手、そしてAI活用の展望を伺いました。

【プロフィール】※敬称略
横山 雄一:株式会社ゴールドウイン 総合企画本部 DX推進室 DXストラテジーグループ マネージャー
全社DX戦略の策定・実行推進、AI活用の推進を担当。
和田 佑斗:株式会社ゴールドウイン 総合企画本部 DX推進室 DXストラテジーグループ
既存AIツールの利用実態把握、AI活用の運用・定着、現場ユースケースの検討を担当。
佐保 暢子:株式会社ゴールドウイン 総合企画本部 エキスパート
経営・人事戦略をブーストさせるために新設のDX推進室が進めるAI環境づくり
ー 総合企画本部 DX推進室の役割について教えてください。
横山:DX推進室は、2026年4月に総合企画本部の中に設立した新しい組織です。総合企画本部は、経営企画や事業戦略策定など、ゴールドウインの持続的成長を支える全社横断の企画機能を統括するコーポレート本部となり、DX推進室ではデジタル領域・AI活用の企画が主な役割となります。
特にAI活用は重要なテーマで、単に新しいツールを導入するということではなく、経営・事業の成長にしっかりとインパクトを与えていくことがミッションと捉えています。
ー DX推進室のテーマに、AI活用の推進を掲げた背景・課題を教えてください。
横山:1つ目は、既存の生成AI環境が十分に活用されていなかったことです。社員からは、より新しい生成AIを業務で使いたいという声もありました。
社内向け生成AIは、3年ほど前にセキュリティを確保した形で全社的に使えるようにしたものです。ただ、この3年で生成AIは大きく進化しました。今ではChatGPTや、ClaudeやGeminiなど、さまざまなAIモデルが出てきています。
一方で、当社の生成AI活用環境にはさらなる発展の余地がありました。Web検索機能や利用可能なモデルの拡充など、生成AIの進化に合わせて利便性を高めるための環境整備を進める必要がありました。
2つ目は、今年度から改訂された新人事制度とも連動して全社のリソースマネジメントを最適化するための手段としてAI活用を考えています。
新人事制度においてはリソースマネジメントを重要テーマに掲げており、戦略人事本部主導で全社組織の役割や業務、リソースに関して整理を実施しております。DX推進室はこの取り組みと連動して業務を「人が担うべき領域」と「AIに代替可能な領域」に仕分けて、定型業務を自動化する仕組みづくりに取り組んでいます。人が本来注力すべきコア業務へリソースをシフトさせるという「仕組み化」こそが、DX推進室の最大の役割であり、最新のAI環境を導入する最大の理由です。
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便利なAIを使いたい。でも、守るべき情報がある
ー セキュアチャット導入以前、社内では生成AIをどのように使っていたのでしょうか。
和田:当社では、議事録の要約や文章の添削、社内規程を読み込ませて質問に答えさせるような使い方をしていました。
ただ、全社的に十分活用できていたかというと、まだ課題がありました。社内向け生成AIの利用率は2割程度にとどまっており、導入しただけで自然に定着するわけではありませんでした。使い方の講座やユースケースの発信をもっとしていく必要があったと思っています。
ー 既存ツールを使う上で、社員からはどのような声がありましたか。
横山:社員によって業務内容が異なるため、使いたいAIモデルもさまざまです。Geminiを好む人もいれば、Claudeを好む人もいます。そのため、社内向け生成AIが1つのモデルに限られていると物足りなさを感じる社員も多く、「個人で契約しているAIを仕事でも使いたい」という声も上がっていました。
もちろん、個人情報や機密情報を外部AIに入力してはいけません。ただ、便利なAIを使いたいというニーズがある以上、「使わないでください」と言うだけでは解決しません。会社として、安全に使える選択肢を用意する必要がありました。
特に、経営情報や人事情報、顧客情報のような機密性の高い情報を扱う部署では、外部の生成AIに安易に相談してしまうと大きなリスクになります。だからこそ、機密性の高い情報を扱う部署で安全にAIを使える環境を用意することを重視しました。
選定側にはセキュリティ、利用者には使いやすさ。両立が導入の決め手に
ー Acompany セキュアチャットを選んだ決め手を教えてください。
横山:一番はセキュリティです。もともと、当社でもセキュリティを担保したAI環境を用意しているという認識はありました。ただ、Acompany セキュアチャットの提案を受ける中で、外部のAIモデル側にデータが渡ることについて、より慎重に考える必要があると感じました。
当社では、経営情報や個人情報など、機密性の高い情報を扱う場面が多くあります。そうした情報を守りながら、複数のAIモデルを用途に応じて使い分けられる点は、大きな魅力でした。
決め手になったのは、Confidential Computingによって機密情報や個人情報を守ったままAIを使えることです。外部のLLMにデータを渡すときのリスクを技術的に抑えながら、使いやすさは犠牲にしなくていい。セキュリティと使いやすさを両立できることが、導入の大きな決め手になりました。
Acompany セキュアチャットはこちらから詳細をご確認いただけます。
https://www.acompany.tech/service/cas/secure-chat/
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ー 社内に説明する上で、「セキュアであること」はどのように受け止められたのでしょうか。
横山:ユーザーからすると、会社が提供するシステムやツールのセキュリティが担保されていることは大前提で、安全であるのは当然だと捉えられます。ですので、利用者に対しては「より使いやすくなる」「複数のAIモデルが使える」といった利便性を伝えることが重要です。一方で、DX推進室としては、裏側できちんとセキュアな環境を用意する必要があります。
全社に一律で展開するというより、まずは守るべき情報を扱うところをしっかり守る。そこが今回の導入の大きな考え方です。
ー どのような部署から展開しているのでしょうか。
横山:2026年9月から、機密情報や個人情報を扱う部署を中心に順次展開しています。経営層、経営企画、人事、カスタマーサポート部門などですね。
導入して終わりではない。ユースケースを届け続けることが定着につながる
ー セキュアチャットを導入した後、どのように社内へ定着させていく予定ですか。
佐保:ツールを入れたから終わり、ではないと思っています。マニュアルを渡すだけでは、社員のみなさんが細かく読み込むとは限りません。自分から調べに行く人ばかりでもありません。だからこそ、どういう業務でどう使えるのかを、こちらから届けていく必要があります。たとえば、資料作成、議事録の要約、社内文書の確認、文章の下書きなど、部署ごとに使える場面は違います。そうしたユースケースを具体的に発信し続けることで、少しずつ定着していくのではないかと考えています。
ー 活用支援や伴走の必要性も感じていますか。
佐保:はい。AIは、できることを知っているだけでは使いこなせません。たとえば、PowerPointの資料をゼロから作るのに時間がかかっていたものが、AIでドラフトを出せるようになれば、かなりインパクトがあります。もちろん最終的な修正は人がやるとしても、最初のたたき台をAIで作れるだけで、働き方は変わります。
AIチャットは入口。人がやるべき仕事に集中するためのAI活用へ
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ー 今後、AI活用をどのように広げていきたいですか。
横山:セキュアチャットは、大きなきっかけになると思っています。ただ、本当にやりたいことは、AIチャットだけにとどまりません。全社の業務を棚卸して抽出した「AIに代替可能な領域」をAIエージェントに任せて、人でしかできないコア業務にシフトしていく。そこにインパクトを出していきたいです。
今後は、どれだけの業務にAIエージェントを導入できたのか、どれだけ業務時間を削減できたのかといったKPIも設けていく必要があると考えています。セキュアチャットについても、利用状況や業務への効果を測定しながら、AI導入による効果をしっかり検証していきたいですね。
AIエージェントを業務に組み込んでいく段階でも、Acompanyの皆様にはセキュアな環境づくりの面で力を貸していただけることを期待しています。
ー セキュアチャット自体に期待していることはありますか。
横山:今後は、社内情報と連携した使い方にも期待しています。たとえば、社内のドキュメントを参照して回答を返してくれるような使い方です。社内ストレージなどにある情報を確認し、その上で回答してくれるようになれば、かなり便利になります。
社内の機密情報を扱う以上、セキュリティリスクが高くなるため、セキュアチャットの安全な環境の中で実現できることが重要です。
ー 最後に、ゴールドウインとして目指すAI活用の姿を教えてください。
横山:AIにすべてを任せるという考え方ではありません。当社は、ものづくりや店舗づくり、販売スタッフの接客を大切にしてきた会社です。たとえば販売スタッフが実際にフィールドに出て、製品を体験し、自分の言葉でお客様に伝える。そういうことは、AIにはできないと思います。
だからこそ、AIがやるべきことと、人がやるべきことをきちんと分ける必要があります。AIには任せられる業務を任せる。その分、人は人にしかできない価値を磨く。そういうAI活用を進めていきたいです。
導入企業概要
名称 | 株式会社ゴールドウイン |
代表者 | 代表取締役社長 CEO 渡辺 貴生 |
所在地 | 東京本社:東京都港区北青山3-5-6 青朋ビル |
設立 | 1951年 |
従業員数 | グループ 3,055名(2026年3月末時点) |
業種 | 製造・小売(スポーツ用品) |
事業内容 | 各種スポーツ用品の製造および販売 |
コーポレートサイト |

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