なぜ今年も「Trust」だったのか——Trust2026を振り返る

公開日:2026.09.25

9月1日、Data & AI Conference「Trust2026」を開催しました。

まずは率直に、無事に終えることができてよかったです。開催後にいろいろな方とお話しする中でも、「盛り上がっていましたね」「いいイベントでしたね」と声をかけていただくことが多く、運営としてとても嬉しく感じています。

Trust2026は、「誰もが安心できる、データとAI活用の未来を考えるカンファレンス」として、産官学のさまざまな立場の方にご登壇いただき、データやAIを取り巻く幅広いテーマについて議論したイベントです。

当日のプログラムや登壇者、開催実績については、こちらのプレスリリースで詳しくご紹介しています。

この記事では開催レポートとは少し視点を変えて、昨年に続く2回目のTrustを、今年どんなことを考えながらつくっていったのか。企画やプログラム、デザインを中心に振り返ってみたいと思います。

今年は昨年よりも大きな会場での開催でした。

実はこの会場、数年前にAcompanyが協賛したイベントでも使われていた場所です。当時は協賛企業として参加していましたが、今回は自分たちでカンファレンスを開催することになりました。会場に入ったときは、純粋に「大きいな」とワクワクしたのを覚えています。

開会挨拶の様子

去年と同じTrustを、そのままやるわけではない

Trustは昨年から続いているカンファレンスです。

サブタイトルも変わらず、「誰もが安心できる、データとAI活用の未来を考えるカンファレンス」としています。

一方で、昨年と今年では「Trust」で扱いたいテーマには変化がありました。

昨年は、安全なデータ活用に比較的比重を置きながら、その中でAIについても扱う構成だった印象があります。

そこから1年で、生成AIを取り巻く状況は大きく変わりました。企業でAIを使うこと自体が珍しくなくなり、サービスや日々の業務の中にもAIが入り始めています。

そうした変化を見ていると、「データをどう安全に使うか」だけではなく、「AIをどう安心して使っていくのか」を、より正面から扱う必要があると考えるようになりました。

今年のTrust2026では、そこに比重を置いてプログラムを考えています。

また、今年特に扱いたかったテーマの一つが「ソブリンAI」でした。

AIを安心して活用するためには、企業単体のセキュリティやガバナンスだけではなく、データや計算資源、AIモデルを誰が持ち、誰がコントロールできるのかという視点も必要になります。

企業の中だけではなく、社会や国家という単位まで視点を広げて「Trust」を考える。今年は、そこまで含めたカンファレンスにしたいと思っていました。

幅広いレイヤーから「Trust」を考える

今年のプログラムを考えるうえでは、できるだけ幅広いレイヤーから「Trust」を扱うことを意識しました。

ハードウェアや計算基盤があり、その上にAIモデルやデータ活用があり、さらに制度やガバナンスもある。安心できるAI活用は、どこか一つだけを整えれば実現するものではありません。

そこで今年は、ハードウェアから基盤モデル、AIセーフティ、データ主権、法制度まで、さまざまな視点から「Trust」を考えられるセッション構成にしました。

また、昨年からさらに広げたかったのが、産官学それぞれの視点です。

このテーマは、一つの企業だけで考えても答えが出るものではありません。行政、企業、研究者など、それぞれ異なる立場や専門性を持った方が同じ場所で話すことで、見えてくるものがあると思っています。

そして、参加して終わりではなく、ビデオメッセージで博報堂DYホールディングス 執行役員 Chief AI Officerの森様からいただいた言葉にもあったように、その後の「行動」と「コラボレーション」につながる場にしたい、という思いもありました。

Trust2026で聞いた話を持ち帰り、それぞれの会社や組織で何か一つ動いてみる。あるいは、イベントで知り合った方と一緒に何かを始めてみる。

知識を得るだけではなく、その先のアクションが生まれるところまで含めて、Trustという場の価値にしていきたいと考えていました。

今年の「Trust」を、どうデザインしたか

今年は、プログラムだけでなく、イベント全体のデザインにも力を入れました。

クリエイティブはデザイナーの櫻庭を中心に制作してもらい、運営メンバーと一緒に「今年のTrustをどう見せるか」を整理しながら進めていきました。

今回扱うのは、ソブリンAIやデータ主権、AIセーフティ、法制度など、比較的重厚なテーマです。一方で、不安や堅さだけが残るイベントにはしたくありませんでした。

そこで、重厚さや信頼感がありながら、その先に明るい未来や知的なワクワク感を感じられることを、今年のデザインの方向性にしました。

昨年から青をベースにした世界観は引き継ぎつつ、今年はより深いブルーへとアップデートしています。

そのうえで、今年のキービジュアルの軸になったのが「夜明け前」というイメージです。

暗いブルーの中に少しずつ光が差し込んでいく。データやAIを安心して活用していくうえでは、まだ考えなければならない課題がたくさんあります。それでも、その先にある未来には期待したい。そんな今回のTrustのスタンスとも合っていました。

また、四角形を重ねたグラフィックには、データ基盤のイメージとともに、「Trust」は一つの要素で成り立つものではなく、いくつものレイヤーが積み重なることで生まれるという考え方も込めています。

プログラムでも、ハードウェアから基盤モデル、データ、制度まで幅広いレイヤーを扱っていたので、イベントの考え方とデザインが自然につながったと思っています。

Trust2026 キービジュアル

もう一つ大切にしていたのが、Acompanyを前面に出しすぎないことです。

TrustはAcompanyの主張だけを伝えるイベントではなく、産官学のさまざまな立場の方が集まり、一緒に未来を考える場です。

そのため、主催企業の色を強く出すよりも、フラットに議論できる場として見えることを意識しました。

こうした考え方をもとに、LPや会場装飾、配布物、スタッフTシャツなどにも世界観を展開してもらいました。

Trust2026 スタッフTシャツ

実際に開催して感じたこと

当日は、オープニングのビデオメッセージや基調講演の段階から、多くの方に会場へお越しいただきました。

昨年より規模を広げた中でも、会場に多くの方が集まっているのを見て、このテーマに対する関心の高まりを感じました。

特に印象に残っているのは、ソブリンやデータ主権について、それまでは少し自分から遠いテーマだと感じていた方が、Trust2026をきっかけに「自分たちにも関係する話だ」と捉えてくださったことです。

今回扱ったテーマの中には、普段からこの領域に関わっていないと少し難しく感じるものもあります。

だからこそ、専門家だけが集まる場ではなく、これまであまり触れてこなかった方にも考えるきっかけを持ってもらいたいと思っていました。

個人的には、昔からの友人が来場してくれたことも印象に残っています。普段この領域に深く関わっているわけではない友人が、「テーマもイベント自体も面白かった」と言ってくれました。

より幅広い方に届けたいと思っていた中では、嬉しい反応の一つでした。

次のTrustへ

懇親会の最後の挨拶で、CEOの高橋から「Trust2027では1,000名規模で」という話がありました。今年が終わったばかりですが、実現するためには今から準備をしていく必要があります。

ただ、人数を増やすことだけが目的ではありません。これまでこの領域に関わってきた方はもちろん、まだ「Trust」というテーマを自分から少し遠いものだと感じている方にも、来ていただける場にしたいと思っています。

そして、参加した方が新しい視点を持ち帰り、その後の行動やコラボレーションにつながっていく。来年は、そうした動きがさらに生まれるカンファレンスにしていきたいです。

今年のTrust2026を通して発信した「安心できるデータとAI活用の未来」について、来年もまたさまざまな立場の方と一緒に考えられる場をつくっていきたいと思います。

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WRITER

Ridai Mizumoto

Acompany / デマンドジェネレーション部

Acompanyの提供価値を知っていただき、ビジネスをご一緒する機会づくりを担当しています。

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