DeepTechなAcompanyを支えるコーポレートの軌跡と展望

公開日:2026.10.02

技術、法律、ビジネスの三位一体で挑戦を続けるAcompanyだからこそ、特有の面白さがある——そう語るコーポレート責任者の嵯峨﨑さん。急成長を遂げる組織において、コーポレート部門は単なる「管理・守り」の枠を超え、事業成長を牽引する役割が求められています。本格的な事業拡大と上場(IPO)を見据えた重要な変革期を迎える今、これまでのコーポレート組織の歩みやこれからの展望について聞きました。

【プロフィール】

嵯峨﨑 隼大(Sagasaki Hayata): 執行役員 VP of Corporate
新卒で三菱UFJ銀行に入行。中小企業から売上高数百億円規模の大企業まで、幅広い顧客への法人営業、新規開拓営業、愛知県のスタートアップ支援に従事。その後、行内制度を活用して愛知県庁のスタートアップ推進課に出向し、自治体職員としてスタートアップ支援の企画・実行を行う傍ら、銀行員として名古屋ビル移転プロジェクトに携わる。2023年3月、株式会社Acompanyに参画。マネージャーを経て入社11ヶ月で執行役員VP of Corporateに就任。現在はコーポレート全体を統括しながら、事業成長と内部統制の最適解を追求している。

現在のコーポレート体制とそこに至る軌跡

ー まずは、現在のAcompanyにおけるコーポレート部門の体制と、どのようなメンバーが働いているのかについて教えていただけますか?

嵯峨﨑:現在、コーポレート部門は「経理部」「総務・人事労務部」「法務部」、そして取締役の近藤が管轄する「ITシステム部」で構成されており、部門全体で8名ほどのメンバーが在籍しています。2025年9月に、それまで1つの「コーポレート部」の中にあった機能を独立させ、責任とやるべきことを明確に整理しました。

私が主に見ているのは「経理」「総務・人事労務」「法務」の3部です。メンバーの経歴は本当にバラバラです。法務や経理で高い専門性を持って入社したメンバーもいれば、未経験からキャッチアップし、今ではそれぞれの領域を担っているメンバーもいます。たまたまですが、女性比率が非常に高い(6名中5名が女性)のも特徴かもしれません。

全員に共通しているのは、「素直さ」、「誠実さ」、そして自ら仕事を前に進める「推進力」を持っていることです。必要に応じて社労士や税理士など外部の専門家の力も借りながら貪欲に学び、着実に業務を遂行してくれています。私が仕事で大事にしている「当たり前の基準」が非常に高く、指示を待つのではなく自走できる素晴らしいメンバーが揃っています。

ー 自律したチームですね。日々の働き方やコラボレーションで工夫している点はありますか?

嵯峨﨑:働き方としては、リモートワークとフレックスタイム制を掛け合わせ、自由度高くメリハリをつけて働いています。コーポレートのメンバーは大体朝10時には全員が揃っており、18時〜19時頃には業務を終える健康的なリズムで働いています。

先ほど組織機能を独立させてきたと言いましたが、「横の連携」は意識的に強化しています。経理と労務、法務と総務など、部をまたぐ業務のパスワークが発生するため、週1回の定例ミーティングで関係する6名が集まり、横断タスクを確認しています。タスク管理にはNotionを活用し、年間・月間のタスクをチェックボックス形式で確認しています。誰のボールか分からない「宙に浮いたタスク」を作らないよう担当を明確にし、お互いに連携をとりながら、丁寧かつ正確な仕事を徹底しています。

ー 銀行からスタートアップへ飛び込み、組織を作っていく中でどんなことに気をつけていましたか?

嵯峨﨑:銀行員時代はほとんどが営業のキャリアだったので、コーポレート業務の専門性があったわけではありません。だからこそ職種にこだわらず、「今の会社のフェーズで、自分が最も貢献できることは何か」を考えてきました。人事、総務、時には営業でも、会社の成長を止めそうなところにボールが落ちていれば拾う。その姿勢は、今も変わっていません。

私自身が得意なのは、現場と経営が考えていることをつなぎ、会社全体を見ながら必要な仕組みをつくることです。

たとえば経費精算のようなワークフローも、コーポレート側の管理のしやすさだけを優先すると、社員にとって使いづらいものになってしまいます。一方で、自由度だけを優先すれば、会社として必要な管理や内部統制が成り立たなくなります。

その両方を見ながら、社員が本質的な仕事にできるだけ多くの時間を使え、かつ会社として必要な統制も保てる状態をつくる。それがコーポレートの役割だと考えています。

コーポレートがやってきたこととスタンス

ー 入社以来、具体的にどのような業務に対応し、組織の課題を乗り越えてきたのでしょうか?

嵯峨﨑:誰の仕事でもない、会社のネックになっているもの、なるであろうものは大体やってきました(笑)。たとえば、入社半年で挑戦した「ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証」の取得です。

以前から「取得した方がいいよね」という議論はあったものの、誰も手をつけられていませんでした。私とコーポレートメンバーの2人でゼロから動き出し、未経験ながら社内体制を整え、取得まで駆け抜けました。この時作った基盤もあり、今では大企業のセキュリティチェック対応なども円滑に進み、事業のアドバンテージになっています。

直近ではオフィス移転や、案件創出のための銀行や企業への営業活動も担っています。コーポレートであっても事業やプロダクト、技術への理解は不可欠だと思っており、コーポレートメンバーにも定期的に経営や事業について説明する時間を設けています。事業成長のボトルネックは何かを考え、先回りして潰すことが私たちのスタンスです。

ー 組織を作る中で、どのような大変さや葛藤がありましたか?

嵯峨﨑:やはり、全社に影響が及ぶ意思決定や制度変更を進める時のコミュニケーションかなと思います。管理部門としてのリスクヘッジを考え尽くした上で、なおかつ事業を加速させる「最善の攻めの選択肢」を取らなければならない、この塩梅が一番難しいです。

Acompanyはオープンで自由闊達な文化があります。誰でも自由に意見を言える素晴らしい風土がある反面、制度や仕組みに対し「使いづらい」、「なんでこうなっているの?」といった率直なフィードバックが飛んでくることもあります。

率直なコメントにショックを受けることも多々ありますが、自分たちの「説明不足」や「事前の合意形成不足」だと自責で考え、良い改善の機会として捉えるようにしています。

ー そうした課題に対して、どのように乗り越えてこられたのでしょうか?

嵯峨﨑:スピード感は失わないように意識しながら、丁寧な「合意形成」と「事前の全社コミュニケーション」を徹底するようにしました。全社に影響する意思決定をする際は、唐突に制度をリリースするのではなく、事前にマネージャーや関係者に「今、こういう課題があって、こういう変更を考えている」と相談し、意見を吸い上げ、可能なものは反映させたうえで、決定事項として伝えるようにしました。

コーポレートと各部門で意見がぶつかることは、正直あります。その原因のほとんどが情報の非対称性だと思っています。現場に見えているのは「仕組み」や「ルール」という結果だけで、その裏でどんな制約があり、何を検討して今の形になったかは表に出ていない状態です。それを伝えていなければ、「もっといいやり方がある」と言われるのは当然だと思っています。なので今は、決める前に仕組みの背景にある制約を伝えることを意識しています。

私たちも「管理する」のではなく、できるだけメンバーファーストを意識していますし、メンバーもコーポレート業務への解像度を高く持とうとしてくれています。先ほども話しましたが、ぶつかること自体は健全なことで、良い制度やルールを作るのに必要なこともあると考えています。

個人的には「管理・内部統制」と「自由な働き方・生産性」は両立できると信じています。ただしそれは、お互いの信頼と「成果を出す」というプロフェッショナルとしての厳しさがあってこそです。仲良しクラブではなく、成果を追求するプロフェッショナル集団として制度とカルチャーを磨き続けていきたいです。

Acompanyの独自性を体現するカルチャーや制度を実装していく

ー 嵯峨﨑さんから見て、「Acompanyのここが他社と違う、面白い!」と感じる部分はどこですか?

嵯峨﨑:大きく2つあります。1つ目は、事業の前提として「技術・法律・ビジネスの三位一体」が不可欠な点です。

私たちが挑んでいるConfidential AIやConfidential Computingの領域は、市場は存在するものの、まだこれから拡大していくフェーズです。この市場を開拓していくには、最先端の技術開発だけでなく、個人情報保護法やデータ関連法制などの法的解釈、そしてそれをビジネスに落とし込む事業開発が、緻密に連携しなければ成立しません。この「越境が当たり前」という会社の風土もあり、コーポレートも自然と事業や各部門に踏み込んでコラボレーションできるという面白さに繋がっていると思います。

2つ目は、「コーポレートもカルチャー設計の当事者である」ということです。

Acompanyでは、制度やルールを単なる管理のための仕組みとは考えていません。会社として大切にしたい価値観や働き方を、日々の制度や仕組みにどう落とし込むかも、コーポレートの重要な役割だと思っています。経営や現場と対話しながら、Acompanyらしい組織のあり方を仕組みに反映し、育てていけることは、この仕事のやりがいの一つですね。

ー 上場を見据える中で、現在のAcompanyおよびコーポレートが直面している課題は何でしょうか?

嵯峨﨑:Acompanyは将来的には上場を目指しています。売上拡大に伴い、組織が次のフェーズへ移行するための管理体制を構築することが急務です。上場準備を進めるにあたり、監査法人や証券会社との議論、内部統制の構築など、やるべきタスクの抽象度と難易度が上がっています。

現在、そうした抽象度の高いボールを拾い、目標からバックキャストで全体を描ける人材が足りていません。プレイヤーとして強いだけでなく、「部のレベルで陣頭指揮を執り、経営と現場を繋ぐ結節点になれる人」が必要です。

具体的には、経理や人事労務において、抽象度の高いボールを受け取り、「上場に必要な体制は何か」を一緒に考え、そのために自ら手を動かしながらもメンバーを牽引してくれる、スペシャリティを持ったリーダー・マネージャーを求めています。

ー 最後に、コーポレートに興味を持ってくれた方に、メッセージをお願いします!

嵯峨﨑:手前味噌ですが、入社して4年目を迎える中で、これからの会社の成長に私自身が一番ワクワクしています。これからAcompanyは、事業・組織ともにさらに大きな成長フェーズに入っていきます。その過程では、これまで以上に複雑で難易度の高い経営課題が生まれてくるはずです。

新しい市場に挑戦していくAcompanyだからこそ、コーポレートにも、その挑戦を可能にする仕組みや体制を整えていく役割があります。

会社の成長とともに生まれる新たな課題に向き合いながら、Acompanyが挑戦を続けられる組織の土台を、一緒につくっていけたらと思っています。

Ryo Tatsuishi のプロフィール画像

WRITER

Ryo Tatsuishi

Acompany / Senior Talent Aquisition

会社全体の組織づくり、採用を担当

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