2025年上半期、Acompanyで鍛えられた「プロジェクトマネジメント力」についてまとめてみた

公開日:2026.05.01


※この記事は『2025年7月25日』に公開した内容をもとに掲載しています。


おはようございます。こんにちは。こんばんは。
はまださんです。

2025年上半期、わたしが所属するAcompanyでは、さまざまな露出機会に恵まれました。

2月25日公開:新プロダクトのプレス公開・記者会見

-Acompany、国内初 秘密計算を用いたデータとAIを保護するセキュリティサービス『AutoPrivacy AI CleanRoom』を提供開始。提携パートナーを募集

5月14日公開:シリーズB資金調達発表

-Acompany、SBIインベストメントとグロービス・キャピタル・パートナーズ等を引受先とする第三者割当増資により、総額11億円の資金調達を実施

6月24日実施:約200名規模 カンファレンスの実施

-Acompany、博報堂CAIOやKDDIシニアエキスパートなど、データやAIのプロフェッショナル総勢13名が登壇!「Data & AI Conference『Trust2025』」を6月24日開催

7月10日実施:約200名規模 AICHIスタートアップエコシステム向け交流会の実施

-Acompany、創業7周年を記念し、スタートアップエコシステムイベント「AICHIスタートアップエコシステム大交流会」を7月10日(木)STATION Aiで開催

7月16日公開:KDDI社との提携発表

-AcompanyとKDDI、プライバシー保護技術における提携を開始

7月18日開催:世界最大級のスタートアップピッチコンテスト「スタートアップW杯2025」東京予選で優勝

-Acompany、世界最大級のスタートアップピッチコンテスト「スタートアップW杯2025」東京予選で優勝、日本代表として米国での世界決勝へ進出

より詳細は、Acompanyコーポレートサイトのニュース一覧で確認できます。

また、Acompanyが事務局を務めるプライバシーテック協会でも、100名規模のイベントを定常的に実施するようになり、今までにない規模感・スピードでプロジェクトをやり切ることが求められるようになってきました。

今回は、Acompanyのフロントに立ち、情報を発信する「広報」として、どのようにこれらの露出をマネジメントし、時には(かなり多くの頻度で)プロジェクトにプロジェクトマネージャーとして入り込み、やらかし、なんとかしてきたことについて、振り返りも兼ねてまとめていこうと思います。
(まだまだプロマネに関してはビギナーなので、ご容赦ください🙏)

本当に「広報」だけでいいのか?

本題に入る前に、なぜいち広報がプロマネについて語っているのか、その背景を書きます。

きっかけは2つありました。

1つ目は、ボールを拾いまくっていたことです。
良くも悪くもAcompanyはスタートアップであるが故に、役割に固執していても、「その領域の仕事しかできない人」になってしまいます。
一方で、スタートアップは組織として未完成であるが故に、いたるところにボールが落ちまくっています。このボールを拾いまくっていたところ、気づけばプロジェクトそのものを巻き取るようになり、プロマネ力を意識するようになっていました。
ボール拾いの大切さに関しては、弊社執行役員サガサキさんがnoteでまとめています。

-ボール拾いの大切さ

2つ目は、広報として評価されるスキルにプロマネ力があったことです。
はね 代表取締役 矢嶋さんがアドタイで連載していた「成長企業が実践する「評価される」広報チームのつくり方」で取り上げられていた、広報PRパーソンのスキルマトリックス。ここの1軸にプロマネ力の記載がありました。
(そもそも広報のスキルは視覚化しにくいので、このマトリクスはすごく助かっています🙏)

広報PRパーソンの「スキルマトリックス」をつくってみた、という話 より引用

そのほかのスキルに関しては、「よく聞くやつだな」と思って見ていたのですが、プロマネ力に関しては一瞬「むむむ」と二度見くらいしました。
確かに、広報は社内外のステークホルダーを巻き込むことが求められます。プレスリリースの公開というタスク一つに絞って見てみると、公開に向けた目線合わせや文言の調整、細かなやりとりなど、さまざまなTODOがあります。
これらの細かなTODOを遅延がないことは前提として、もはや先読みして準備しておく、キーマンを先んじて巻き込んでおくことで、プレスリリースを公開するタスクは円滑に進むようになります。
たしかにこの一連の流れは、小さくてもプロマネなんですよね。

この広報のプロマネをより大きなものとしたケースに、記者会見プロジェクトがあります。
実際、2月25日に公開した新プロダクト『AutoPrivacy AI CleanRoom』に関する記者会見のプロマネでは、経営陣との内容合意から始まり、プロダクト名の決定やロゴの作成、プレスリリースの作成、会見のセッティング、キーマンの予定確保、記者への案内、オンライン配信の準備、資料作成の依頼・確認、他チームが実施している施策との連動、メルマガの配信などなど…。列挙するだけでもかなりの数のタスクがあります。
これをいい感じに捌き、キーマンにタスクを割り振る。

とあるイベント(終了済)のWBS(あまり綺麗じゃない)

ここから、プロマネ力にフォーカスするようになりました。

プロジェクトマネジメント力とは

そもそもプロマネ力とはどのようなものなのでしょうか。

山口 周 『新装版 外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』によれば、

ルールでは判断できないような例外事象が次々に起こる中で、目的と価値観に立脚して、自分の判断で物事を進めていく能力、ひとことで言えば、プロジェクトマネジメントの能力が必要になるのです。

-山口 周 『新装版 外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』

としています。

要約すると、「変化の激しいビジネス環境において、目的と価値観に基づき、自律的にプロジェクトを推進する能力」になるかなと思います(Gemini)。
Acompany風でいうと「グイグイ力」というやつでしょうか。

時にこのプロマネ力は、GRIT(グリット)やエグゼキューション力などとも記載されているのを見かけます。

ここではプロマネ力を「目的と価値観に基づき、自律的にプロジェクトを推進する能力」とします。

プロジェクトマネジメントをする上で意識していること

複数個のプロマネを進めていく上で、以下の5つを意識して取り組んできました。プロマネに関する本にも似たようなことが書いてありますが、結局はこの5つに尽きるなと(今は)考えています。

  1. プロジェクトの目的を決める
  2. プロジェクトの真のオーナーを決める
  3. オーナー含め、意思決定者とのプロジェクトの大筋合意
  4. 定常・定性的な進捗共有、定期的なタイムライン(WBS)の見直し
  5. なんとかする

ここからは5つのポイントを少し具体例も交えつつ、まとめてみます。

1.プロジェクトの目的を決める

なんのためにこのプロジェクトを推進するのか、このプロジェクトを達成した先には何があるのかを決めることは大事です。プロマネ力の定義にも「目的と価値観に基づき、自律的にプロジェクトを推進する能力」と書かれているように、目的を決めることは一丁目一番地です。
そしてこの目的を決めることは、プロジェクトそのものが成功するのか失敗するのかに大きく左右されます。

例えば、先ほどご紹介した新プロダクト『AutoPrivacy AI CleanRoom』の記者会見では、メディア関係者を対象として、「秘密計算市場がホットであることを伝え、Acompanyがそこの中で注目するべき存在であることを認識してもらう」ことを目的として掲げました。
この目的を掲げたことで、秘密計算市場がホットであることを知ってもらうためにどうするかを検討する→生成AIのタグをどう利用するのかという思考になる→「生成AI時代の中の秘密計算という技術」という見せ方にする…といった形で議論を進めることができました。

2.プロジェクトの真のオーナーを決める

「このプロジェクトの最終責任者は誰か」とも言い換えることができます。

なぜこの真のオーナーが大事なのかというと、意思決定者が複数人いる状態である場合、本来であれば爆速でプロジェクトを進めないといけないにも関わらず、遅延や出戻りするリスクがあるためです。

ただ、真のオーナーが判明したとしても、そのオーナーの周辺力学によっては、出戻りが発生する可能性があります。そのためにも次の「3.オーナー含め、意思決定者とのプロジェクトの大筋合意」が大切です。

3.オーナー含め、意思決定者とのプロジェクトの大筋合意

山口 周 『新装版 外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』でも記載されていますが、関係者の力学を見極めることは、円滑にプロジェクトを進めていくためにはとてもとても重要です。
山口氏の場合は「裏マップ」という表現を使用しています。

なぜ作った方が良いのかというと、関係者間でそのプロジェクトに対するポジティブ・ネガティブな感情と、プロジェクトそのものを包括する組織への影響力の大小を見極める必要があるためです。

いわゆる社内政治というものをうまくやり抜くため、ステークホルダーの関係性を視覚化しましょうよということです。

4.定常・定性的な進捗共有、定期的なタイムライン(WBS)の見直し

プロマネといえばやはりWBSです。そして、定期的な進捗共有です。

プロジェクトに関わる人が多くなればなるほど、可視化が重要になります。これはプロジェクトのタスクの可視化もあれば、プロジェクトのオーナーと意思決定したことによる可視化もあります。

特に後者は重要で、プロマネにはプロジェクト内でネガティブな意思決定があった際には丁寧にメンバーへ共有する責任があります。ここに可視化の重要性があります。
細かなノウハウは、橋本 将功 『人が壊れるマネジメント プロジェクトを始める前に知っておきたいアンチパターン 50』で記載されているので、とても勉強になります。

5.なんとかする

とはいえ結局は、なんとかするお心持ちが大事です。プロジェクトをとりあえず前に進める、泥臭く交渉する、そして着地させる。
結局は、この一言に尽きます(かっこいいことを書いてましたがw)

実際、7月に実施した「AICHIスタートアップエコシステム大交流会」のプロジェクトメンバーは社内はオーナーとわたしの2名、加えて社外メンバー2名の合計4名体制で実施(当日は様々な人に運営サポートいただきました)。
愛知県のスタートアップエコシステムのキーマンを複数人お呼びし、結果200名規模のイベントを実施するまでに至りました。

当初は無謀と言われたチーム体制(人数が少ないだけ)でしたが、なんとかやり切りました(反省点は多かったです、今度からはもう少し体制をリッチにしたい)。

なぜ今、「プロジェクトマネジメント力」が大切だと思うのか

ここは少し自論のようなものが入ります。

生成AIが当たり前に仕事や私生活で使われていく中で、どのような仕事のスタイルが今後2-3年先(短い)を見据えて重宝されるのかを考えていた時がありました。

わたし自身は、エンジニアやデザイナーなど手に職を持つ形でキャリアを築いてきておらず、強いていうのであればライター業(いちおう元記者)といったところでした。
しかし文章生成に関しては、どんなに足掻いてもAIには勝てない(し、勝とうとも思っていない)。

ではどうすれば会社、強いては世の中に必要とされるのかを考えると、プロジェクトという作品を作り(いつかは経歴で記載できるようなプロジェクトを成し遂げ)続けることなのではないかという思考に至りました。

プロジェクトマネジメント型の仕事では、仕事そのものが自分の作品になります。

-山口 周 『新装版 外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』

しかし、プロマネを組織から任されること(時には奪い取ること)は、体力・経験がないとなかなか得ることができません。
何度も打席に立ち続けるためにも、プロマネ力「目的と価値観に基づき、自律的にプロジェクトを推進する能力」を日々鍛え、ていこうかなと思います。

参考文献

最後に、プロジェクトマネジメントの質を上げる上で参考にしている本を紹介します。

山口 周 『新装版 外資系コンサルが教えるプロジェクトマネジメント』

-https://amzn.to/454penB

引用しすぎですね。プロマネの学びの宝庫です。プロマネに興味のある人はぜひ買って10周くらいしましょう。

橋本 将功 『人が壊れるマネジメント プロジェクトを始める前に知っておきたいアンチパターン 50』

-https://amzn.to/4m6Y2LB

プロマネを通じて、コミュニケーションに課題を感じつつ、この本に出会う。先人の失敗に学ぶの大事です。

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WRITER

Hikaru Hamada

Acompany / パブリックアフェアーズ

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